わたしは小説家にはむかない、というお話
「小説書いたら?」
なぜかよく言われる。
書けるわけがない。
仕方ないので、小説を書けるわけがないという文章を書く。
まず、何を伝えるかイメージが湧かない。
次に、イメージが湧いたとしても、それを伝えるためにどんなエピソードが必要か分からない。
最初の構図が描けないのだ。
日本語というものは、ふだんから誰もが使っているので、なんとなく書けてしまいそうな気がするけれど、小説という形で物事を伝えるには特殊な技術がいるように思う。
最初の骨組みができないまま、なんとなく筆を進めたところで、できるのは、小説に似た何かだ。